IT業界・WEB業界の労働者による残業代請求のポイント

IT業界・WEB業界では、働き方が労働者の裁量に委ねられていることが比較的多い反面、労務管理が適切に行われず、残業代の未払いが生じるケースが多数存在します。

ご自身の実労働時間と比べて、会社から支給されている残業代が少ないように思えた場合には、弁護士に相談したうえで、会社に対して未払い分の請求を行いましょう。

IT業界・WEB業界の残業代に関する法律上の問題点

IT業界・WEB業界では、クライアントとの関係性がビジネスとの肝になる特性上、労働者にかなり過酷な労働が課されてしまいがちです。

また、単純に労働時間だけでは仕事の成果を評価するのが難しいため、労働時間の管理がずさんになり、労基法が軽視されがちという問題点もあります。

長時間労働の常態化

IT業界・WEB業界では、発注元であるクライアントや代理店などが設定する納期が厳しいために、SEやプログラマーなど、労働者の長時間労働が常態化しています。場合によっては深夜や休日に勤務が及ぶこともある一方で、そのすべての労働時間に対して、残業代が正しく支払われているケースは稀です。

納期の関係で日常的に長時間労働を強いられている場合には、まず残業代の未払いを疑うべきでしょう。

裁量労働制を隠れ蓑にして残業代を支払わない

IT業界・WEB業界の業務は、費やした労働時間によってその価値を測ることが難しいものが多くなっています。

たとえば、クライアントに対してプログラムを納品する場合、どんなに時間をかけてプログラムを作っても、それがちゃんと動作しなければ全く評価されません。

一方、ほとんど時間をかけずにプログラムを作ったとしても、機能的に問題がなければ、クライアントから高く評価されるでしょう。こうした業務の性質上、IT業界・WEB業界では、労務管理上も裁量労働によるみなし労働時間制を採用しているケースが多数存在します。

しかし、IT業界・WEB業界で多く採用されている「専門業務型裁量労働制」(労基法38条の3)は、SEについてはごく一部にしか適用できず、またプログラマーについては原則適用できません。

なぜならば、専門業務型裁量労働制を導入することができるのは、法令によって定められた19の業務に限定されているからです。

そして、専門業務型裁量労働制が適用されない場合、その労働者に対してみなし労働時間制を適用し、残業代を支払わないことは違法になります。専門業務型裁量労働制を謳っているにもかかわらず、労働者の業務がその適用対象外である場合には、残業代の未払いが発生している可能性が高いでしょう。

さらに、専門業務型裁量労働制が適用される場合であっても、休日労働や深夜労働の割増賃金規定(労基法37条1項4項)の適用が排除されるわけではないということには注意が必要です。

固定残業時間を超えた労働に対して残業代を支払わない

SEやプログラマーの仕事の成果を労働時間で測ることが難しい関係上、IT業界・WEB業界では「固定残業代制」を採用しているケースがよくあります。

固定残業代制とは、一定期間の固定残業時間を定め、それに対応する残業代を一律で支給する制度です。

しかし、固定残業代制を採用していたとしても、固定残業時間を超える時間外労働が発生した場合には、固定労働時間を超過する分の割増賃金を支払わなければなりません。

そうであるにもかかわらず、超過分の割増賃金を全く支払わず、常に固定残業代の金額しか支払わない企業も存在します。こうした取り扱いは労基法違反であり、未払い残業代が発生している可能性が高いと考えられます。

IT業界・WEB業界の残業代請求に関するチェックリスト

上記で解説した法律上の問題点を踏まえると、以下のチェックポイントに一つでも当てはまれば、IT業界・WEB業界の労働者が、会社に対して未払い残業代を請求できる可能性は高いと考えられます。

  • 深夜や休日に及ぶ長時間労働が常態化している。
  • 専門業務型裁量労働制の名目で、残業代が支給されていない。
  • 固定残業時間を超える時間外労働が生じているにもかかわらず、超過分の割増残業代が支払われていない。

IT業界・WEB業界の残業代請求には事前に十分な証拠収集を

IT業界・WEB業界の労働者が、会社に対して残業代を請求するには、残業の事実を証明するに足る証拠を十分に収集して会社に提示し、残業代の支払い義務があることを明確化することが大切です。

残業代請求に関する有力な証拠を提示できれば、会社との交渉を有利に展開できるほか、仮に裁判になった場合にも、労働者にとって有利な判決を得られる可能性が高まります。

IT業界・WEB業界の労働者が集めやすい残業代請求の証拠とは?

IT業界・WEB業界の労働者の残業を証明する有力な証拠としては、以下のものが考えられます。

①タイムカード

出退勤時に記録するタイムカードは、残業の事実を証明する客観的な証拠として非常に有効ですので、常に正しい打刻を心がけておきましょう。

②PCのログイン記録

SEやプログラマーの場合、PCへのログイン記録も、残業の有力な証拠になり得ます。

リモートで仕事をしている場合にも、会社のシステムへのログイン記録が取得できれば、残業の証拠として利用できます。

③メールの送受信履歴

スマートフォンやタブレットなどで仕事をしている場合、業務上のメールの送受信履歴が、残業の証拠として有効です。

所定労働時間外にやりとりされた業務に関連するメールの送受信記録を、できるだけ多く保存しておきましょう。

残業代請求は当事務所にお任せください

IT業界・WEB業界の労働者は、納期などの関係で長時間労働を強いられることが多い傾向にあります。

さらに、裁量労働制や固定残業代制などを会社が悪用して、残業代を全く支給していないケースや、本来よりも少ない残業代しか支給していないケースも少なくありません。

もし会社から残業代が支払われていない、または残業代が少なく感じるという場合は、一度当事務所までご相談ください。

当事務所は、初回ご相談30分無料、かつ着手金0円の完全成功報酬制を採用しており、費用面でも安心してご依頼いただける法律事務所となっております。

当事務所にご相談をいただければ、会社から支給されている残業代の金額・支給根拠などを精査したうえで、会社との交渉その他の必要な手続きを幅広くサポートいたします。

回収できなければ弁護士費用はいただきません。まずはお気軽にご相談ください。※残業代の請求権には2〜3年の時効があります。お早めにお問い合わせください。※交通費などの実費のみ請求する場合がございます。

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