塾講師が残業代を請求する際の法律上のポイント・証拠収集について

塾講師は、教室での授業時間だけでなく、授業準備やその他の雑務もこなす必要があり、労働時間が長くなりがちです。

しかしながら、こういった準備時間を考慮せず、塾講師に対して残業代を一切支給しないという塾も多いところ、このような取り扱いは労基法違法の疑いがあります。

塾講師の方が、自身の労働時間に応じた残業代を塾から受け取っていないと感じた場合は、速やかに弁護士に相談して、法的な請求の可否を検討しましょう。

塾講師の残業代に関する法律上の問題点

塾講師の賃金は、授業のコマに応じて設定されることが多いです。このことの裏返しとして、コマ以外の塾側が正確な労働時間を十分に把握していないケースがよく見られます。

また、アルバイト講師を管理する教室長の負担が大きいことも、未払い残業代計算がきちんと行われない理由の一つです。

授業時間以外に対して賃金が支払われない(コマ給)

塾講師の賃金が「1コマ○円」のように授業のコマ単位でのみ設定され、それ以外の労働時間に対して一切賃金が支払われないケースがあります。

たとえば、

  • 教材を作成する時間
  • 授業方針を検討する時間
  • 宿題の添削をする時間
  • 生徒の質問に対応する時間
  • 授業についての報告書を作成する時間
  • 事務作業や事務的な書類作成の時間
  • 生徒の親への電話連絡や面談にかかる時間

などについても、法律上は賃金の支払い対象となる労働時間に含まれます。

もしこれらの時間に対して正当な賃金が支払われていない場合には、塾に対して賃金の請求を検討しましょう。

持ち帰り残業が横行している

塾講師が行う授業の準備作業には、塾のオフィスに限らず、自宅などリモートでも行うことができるものが多く存在します。

そのため、塾講師が自宅に仕事を持ち帰ることも少なくありません。この場合、業務上必要な作業であれば、自宅での仕事時間に対しても、塾側は塾講師に対して賃金を支払わなければなりません。

しかし自宅での作業については、塾側が労働時間として把握していない、賃金の支払い対象に含めていないケースが多くあるのが実情です。

この場合、未払い残業代が発生している可能性が高いので、弁護士に相談して適切な対応を検討しましょう。

教室長などの「名ばかり管理職問題」

塾によっては、多くの講師を学生などのアルバイトが担当しているために、教室長などの正社員の業務負担が重くなっているケースがあります。この場合、教室長の長時間労働が常態化し、多額の残業代が発生するケースも珍しくありません。

しかし、教室長に対する残業代を、労基法上の「管理監督者」(同法41条2号)に該当するという理由で全く支給しない塾が存在します。

労基法上の「管理監督者」には、経営者と一体的な立場と評価できる程度の権限・待遇などを与えられた労働者のみが該当しますが、教室長がこれに該当するケースはきわめて稀です。多くの場合教室長は、単に講師の出勤状況や授業の運営状況を管理しているに過ぎない場合が多くあります。

教室長が管理監督者に該当しない場合、残業代の不支給は違法となりますので、未払い残業代が発生している可能性が高いでしょう。

塾講師の残業代請求に関するチェックリスト

以上の塾講師の残業代に関する法律上の問題点を考慮すると、以下のチェックポイントに一つでも当てはまれば、塾講師が塾に対して未払い残業代を請求できる可能性は高いと考えられます。

  • コマ給制が採用されている一方で、授業時間以外の事務作業などに対する賃金体系が設定されておらず、支払いも行われていない。
  • 自宅で行っている授業準備などに対して、賃金が支給されていない。
  • 教室長などに対して、残業代が全く支給されていない。

塾講師の残業代請求には証拠による残業の立証が不可欠

塾講師が塾に対して残業代を請求するには、残業の事実を立証するための証拠をできる限り多く収集し、法的な根拠をもった主張を行うことが大切です。

教室内・教室外を含めた残業の事実を証拠により示すことができれば、塾側が残業代の支払い義務を認める可能性が高まるでしょう。

塾講師が集めやすい残業代請求の証拠とは?

塾講師の残業を証明する有力な証拠としては、以下のものが考えられます。

①タイムカード

タイムカードの記録は、残業時間に対する客観的な証拠として有効に働きます。

日頃からタイムリーな打刻を心がけるとともに、できるだけ作業をオフィス内で行うようにして、タイムカードによって労働時間を把握できるようにしておくと良いでしょう。

②システムへのログイン記録

タイムカードの記録だけでは労働時間を正しく把握しきれない場合には、塾のシステムへのログイン記録を併せて用いることが有効です。

自宅作業の場合であっても、PCから塾のシステムへログインした記録が残っていれば、その周辺の時間帯で労働をしていたことを示す証拠になり得ます。

③勤務内容や時間を記録したメモ

特にオフィス外で作業を行う場合、残業の証拠が不十分になりがちです。

そのため、オフィス外作業の際には、作業内容や作業をした時間をメモに残しておきましょう。

メモの記載が詳細かつ具体的であれば、労働の記録としての信頼性が高まり、塾側から未払い残業代の支払いを受けられる可能性が高まります。

残業代請求は当事務所にお任せください

塾講師は、いわゆる「コマ給」・持ち帰り残業・名ばかり管理職問題などによって、塾から正当な残業代の支払いを受けていないケースがよくあります。残業代が発生するかどうかは、必ずしも雇用契約のみによって決まるわけではなく、労基法上のルールによっても左右されます。

そのため、ご自身の勤務状況によっては、塾との契約内容にかかわらず、一定の未払い残業代を請求することができるかもしれません。もし塾から正当な残業代の支払い受けていないとお感じの塾講師の方は、一度当事務所までご相談ください。

当事務所は、初回ご相談30分無料、かつ着手金0円の完全成功報酬制を採用しており、未払い残業代の有無が判然としない段階であっても、ご相談いただきやすくなっております。

当事務所は、塾講師の方の勤務実態を踏まえたうえで、塾側に対する有効な主張や証拠収集など、また塾側との交渉や裁判手続きについても全面的にサポートいたします。

回収できなければ弁護士費用はいただきません。まずはお気軽にご相談ください。※残業代の請求権には2〜3年の時効があります。お早めにお問い合わせください。※交通費などの実費のみ請求する場合がございます。

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